今回の「留学生の声」は夏休み特別編です。
「JASSO中国語プログラム」という国際的リーダーシップ開発養成プログラムで、上海華東師範大学に留学中の横浜国立大学の皆さんにご協力していただきました。横浜国立大学の10名の皆さんは、第二外国語で中国語専攻の学生さんです。希望者の中から選抜されて参加したという経緯があります。皆さんがいらした前の週には、福島大学の研修グループが来ていたということでした。基本的に、語学研修は横浜国立大学専用クラスでの勉強ですが、レベル分けで別の外国人クラスで若干名が学べるというシステムです。
Q1. 留学の期間・留学プログラム名
2017年8月24日-9月17日 25日間
JASSO中国語プログラム
『同文同種』の両面性を活かす国際的リーダーシップ開発養成プログラム
後半1週間は闵行校に移り、在校生との交流があったそうで、3グループに分かれそれぞれの課題についてディスカッションをしあい、有意義な時間を持てたそうです。闵行校の参加学生は第一言語に日本語を選択しているらしく、皆さん日本語がかなりお上手ということでした。ディスカッションの内容は、以下の3つになります。
*民間交流・・・各店舗の仕事内容 流通経路
*食文化・・・食材はどこから来るか 安全性の問題
*教育・・・学校制度 教科書( 小学校~大学まで) /学生生活の違い
6人目に質問に答えて下さっている鈴木奈那美さんが、上海在住時から家族ぐるみのお付き合いをしていた所以があり、今回の取材にご協力いただきました。授業が終わってからの1時間ほど貴重なお時間も使わせて頂きどうもありがとうございました。この場で改めて御礼申し上げます。
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五十嵐 陽さん
横浜国立大 教育人間科学部2年
中国語の学習という意味では、大学の第2外国語の選択。
中国語の学習を中国で行い、かつ現地の学生と交流ができるこのプログラムは、様々な学習法、教育のあり方、考え方に触れることができ、自分の将来のキャリアに確実に役立つと思ったから。
寮生活は特に不自由な場面はない。食事はオーダーの時はまだうまくいかないこともよくあるが、少しずつ慣れてきたので特に問題はない。環境は日本語はもちろん英語も通じないことが多いので苦労することは多いが、その分中国語の学習意欲が高まるので良い環境だと思う。特に寮生活は二人部屋でルームメイトとのコミュニケーションが必須なので中国語、中国文化の他にもコミュニケーションという貴重な経験ができていると思う。
授業は複雑な説明などには英語が使われることもあるが、基本は中国語で行われるので、理解に時間がかかることもある一方で聞き取る力はつけられると思う。
自由時間は宿題や復習以外は他のメンバーと外に出かけて、食事や買い物、観光など行う。店員さんなどと話す機会がある時にはなるべく積極的に中国語を使おうと心がけている。
小籠包
环球港(近くのショッピングモール)、近くの“烤肉 ” 屋さん、部屋
(よかったこと)食事の注文や買い物のために実践的な中国語を学べたこと。
(嬉しかったこと)自分の中国語が伝わった時
(驚いたこと)交通量が非常に多いこと。
(嫌だったこと)食事の匂い。
事前にもっと勉強してから来ればもっと中国語をためすことができたと感じた。また、もう少し滞在していたいと感じた。
日本で外国語を学ぶこととは完全に違うと思う。留学することで、生活するために使わなければならない外国語を必死に学ぶので、日本では決して持つことのできない意識を持って学習することができると思う。
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金澤 和泉さん
横浜国立大学 教育人間科学部 4年
アルバイト先に中国人が多く、常に中国語が飛び交っていた環境でした。
最初は台湾に行こうと思っていましたが、大学でこのプログラムの募集があり、上海だけど中国語学べるし、大学のみんなと行けば安心だと思ってプログラムに参加しました。
2人部屋でした。ホテルみたいに毎日部屋を掃除してくれたので快適でした。
食事は学食に行ったり、近くのショッピングモールに行ったりしました。
午前中3時間の授業が2週間ありました。クラスは同じ大学のみの初級クラス7人でした。先生は主に中国語、サブで英語を使っていました。先生は簡単な中国語で話してくださるので、だいたいは聞き取ることができました。
ほとんど出かけていました。豫園や外灘など観光地に行ったり、有名な小籠包を食べに行ったり、日本人街の古北に行ったりしました。ディズニーランドにも行きました。
学食が非常に美味しいです。特に、魚料理が美味しいです。
学内の”友谊路”。道の両側に木が並んでいて、ほっとします。また、川にかかった橋が見えるのも好きです。朝は、対岸で太極拳をしている風景も見られ、人々の生活も感じられます。
自分の中国語が通じた時は本当に感動します。
あと、プログラムのメンバーが誕生日を祝ってくれたことがとても嬉しかったです。
道路で大量の電気スクーターが縦横無尽に走り回っていて、驚きました。また、1回だけですが、信号待ちをしている間に金乞いが近づいてきたのは嫌でした。
慣れてきた頃に留学が終わってしまうので残念です。もっと中国にいれば、中国語もある程度できるようになるだろうなと最近つくづく感じます。
初めての海外は、来る前は怖くて仕方がありませんでした。海外は盗難が多い、中国人は怖いというイメージがあったからです。しかし、いざ来てみると意外と普通でした。治安も安定していたし、人々のマナーもそこまで悪くなかったです。また、中国国内線の飛行機で荷物を出すのを手伝ってくれたり、先にドアを通してくれた親切な中国人もいました。この留学から、いかにマスメディアや噂話などから実際以上のイメージを植え付けられていたかを思い知らされました。自分の目で実際の世界をみることの大切さを学びました。
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江部我 空さん
横浜国立大学 教育人間科学部 3年
漢字が好きなので、広い意味では小学校の国語教育が出会いでしょうか。
「閃光のナイトレイド」というアニメ作品の影響
寮は清潔な印象
先生がほぼ同年代で驚きました。補助的に用いられる英語を除くと授業はすべて中国語だったので初めは意図を汲み取るのに苦労しました。
レトロな建築が好きなので、外灘などに行きました。
小籠包
外灘
鉄道と食事における費用の安さ(住居は高いのでしょうけど)。
トイレの水流、横断中でも割り込んでくる車
やはり25日間では勉強は足りない。今後も継続的に中国語を学んでいきたいと思いました。
留学は、観光のようにその土地ごとのイメージを受容して楽しむ行為ではなく、その土地の“人”に対して焦点を当ててくれる経験でした。
日本的ではない規範や習慣を学ぶことによる他者理解が行えた気がします。