あの教科書の山川出版社から出ているとあって期待して読みました。
研究者、ジャーナリストを執筆陣にそろえ、ふんだんに使われた写真資料とともに読み応えのある一冊だと思いました。
李香蘭、ゾルゲ、川島芳子ら上海を舞台に活躍した個性が網羅的にかつ、丁寧に記述されています。
人物中心に書かれており、読者はその時代の視点で上海を眺めることになるでしょう。
これから上海に行くので歴史のことも知っておきたい人には予備知識の教科書として(さすが山川)、外灘(バンド)の景色に感動した人は、その影に潜む記憶の陰をみることができるでしょう。そしてその記憶はそう遠くないものであるということも。