上海博物館にて開催されていた「菩提的世界:醍醐寺芸術珍宝展」。
6月に一回、そしてもう一度観たくて最終日にも行って参りました。
入口で出迎えてくれたのは、重要文化財・快慶作「不動明王坐像」。
上海博物館5月-6月の活動日程パンフの表紙や博物館外のパネルにもなっている鎌倉時代1203年の傑作。迫力の眼力と全身から漲る力がその場に収まりきれないオーラを発している。
凄い・・・
そのすぐ次には「弘法大師空海坐像」。
左右に並び空海の実の弟 醍醐寺創立者「理源大師坐像」が鎮座している。
穏やかな空気をまとい大きく包み込まれる感覚。
そして二人の前に置かれた国宝の巻物。
「醍醐の由来」が示された「醍醐寺縁起」。
江戸時代の紙がこんなしっかりしているなんて。
凄い・・・
平安時代の僧侶たちを描いた掛け軸の寂れた中にも、一点華やかなデザインが施されていたりしている。
凄い・・・
十五分の一の「五重塔」が配置され、現物は951年竣工の京都現存最古の木造建築と示されている。
1065年前です!
凄い・・・
高校の修学旅行で行ったきり、その頃は感慨がなかったわ。
思慮に欠ける学生だった・・・
そして、もっと私の目を釘付けにしたのは「曼荼羅」。鎌倉時代13世紀に描かれた重要文化財の「弥勒曼荼羅」は構図のレイアウトが現代的で色も明るく凄い・・・凄過ぎる。
曼荼羅は他に、密教の経典の世界を九つのマスで区切り描く「金剛界曼荼羅」、密教の経典の教えを種子が仏の慈悲によって目覚め育ち花を開き悟という形で実を結ぶまでを描いている「胎蔵界曼荼羅」が展示されている。どちらも大日如来を中心に据え 実はこれで世の中が回っているのかな、と考えてみる。
写真左:金剛界曼荼羅/写真右:胎蔵界曼荼羅
それにまだまだ。
「十二天屏風 」。12種類の神様が描かれ上下(天地)・太陽と月の神と八方位など自然的要素を神格化している。自然との調和を祈って災厄を払う密教の守護神だそう。
鎌倉時代の「千手観音立像」「如意輪観音坐像」、そしてなんと重要文化財の五大明王像が、壇上とはいえ何の囲いもガラスもなしに据えられている。
凄い・・・
写真左:千手観音立像/写真右:五大明王像
醍醐寺が戦乱で荒廃した後、豊臣秀吉が催した「醍醐の花見」。
1598年3月15日 約1300人が招かれ、その場で詠まれた和歌131句。
秀頼らの自筆の短冊が目の前に。
凄い・・・
しかし 次から次へこんなに近くで木像や掛け軸を拝められるなんて!
京都や近隣在住の方々は目にする機会も多いかと存じますが、関東在住のしかもほとんど上海在住の私には感動の連続でした!世界遺産登録されている醍醐寺の文化財の数々を上海で見れた、しかも上海博物館は年中無料!
私の隣で鑑賞している中国の方は仏像の前で拝んでから見入ってる・・・不思議な感覚。
そして心躍る時間を過ごさせてもらいました。
上海にいながらにして、思わずあのCMが頭に浮かんでしまいました。
(※写真はカタログよりお届けしています。)
************
参考記事: 日本の醍醐寺の秘宝が上海博物館で展示
住所:上海市人民大道201号
電話番号:021-6372-3500
開館時間:9時~17時(16時までに入館)
入場料:無料
概要:1階~4階 常設展示、1/2/4階 一部特別企画展示
サイト:上海博物館