中国茶と言えば、専用の茶器があって、そのイメージゆえに、自分で淹れるのは難しそう・・と、つい敬遠してしまいますよね。
そもそも、中国茶の茶器ってどんなものがあるのでしょうか?今回は、基本的な茶器を簡単にご紹介してから、次回、「中国茶の簡単な楽しみ方」をご提案したいと思います。
茶壷とは、日本茶で言うところの、急須です。
1. ガラスの茶壷
まずオススメしたいのが、ガラスの茶壷です。
緑茶を淹れるときによく使うのは、緑茶のきれいな緑が見えることが大きな理由ですが、ガラスの茶壷はどんなお茶とも相性がよく、万能です。日本でもよく見る紅茶用の耐熱ガラスポットでもいいのですが、ポイントは「小ささ」です。手のひらサイズに収まるこのサイズだからこそ、中国茶が高い温度でおいしく入るんですね。
2. 紫砂壷(Zi Sha Hu)
江蘇省宜興市で採れる特殊な土、紫泥で作られている茶壷です。この茶壷の特徴は、目に見えない細かい気孔がたくさんあることでお茶の雑味が取れたり、香りを閉じ込めたりすることだと言われています。また保温性が高いため、お茶が高温で入り、結果高い香りを立てることができます。 一般的には青茶(烏龍茶)に使用します。緑茶や紅茶にはあまり使用しませんので、青茶、プーアル茶用と覚えてよいと思います。
蓋碗は、従来茶葉とお湯を入れて、そのまま口をつけて飲む大きな茶杯のようなものですが、急須がわりに使用することが多いです。蓋を開けて茶葉を入れお湯を注ぎ、親指、人差し指、中指を三角形に広げて上から持ち、少し蓋をずらしてお茶を淹れます。これは実践してみないとぴんとこないかもしれません。茶杯として使う場合は、受け皿ごと左手で持ち、右手で蓋を少しずらして口元を隠すように飲みます。高級中華料理店で一人にひとつずつ蓋碗が出てくる場合、そのようにして飲みます。蓋碗は磁器でできており、ガラスと同じく万能の急須と言えます。使ってみれば、簡単ですよ。
以上のようにお茶を淹れるための主要な茶器は主に3つと考えてよいと思います。その他にも茶葉を入れておくための茶荷、ティースプーンと同じ役割の茶則、茶器をはさむ茶鋏等付属する茶道具はありますが、揃えないといけないわけではありません。日本茶と同様、中国茶も基本的には急須と茶杯があれば楽しめるのです。
もちろん、茶器や茶道具にも興味がわくようになれば、楽しみは倍増します。特に紫砂壷は形や色、蓋碗は有名な景徳鎮(磁器の名産地)の繊細な図柄や大きさ、それぞれに違うので茶器にはまると経済的に大変です。(笑)前々回紹介した上海の天山茶城へ行けば、茶器もたくさんありますよ!
日本でも中国茶専門店や、ネットショップなどで簡単に手に入ります。わたしのオススメは、最初はやはり小さなガラスの急須!これで「中国茶は難しい」というイメージは払拭されること間違いなしです。