ちょっと前に、日本のお祭りを取材に来た中国の記者さんたちをお迎えしました。
お祭りって、日本だとわりと身近にあるのであたりまえと思っていたのですが、中国、それも都市部だとお祭りは基本的にないようです。記者さんたちはずいぶん新鮮な体験をしたようでした。その時のやりとりが面白かったので、そのお話を紹介したいと思います。
日本には伝統的なもの、新しいもの、色々なお祭りが三十万ほどあると言われています。
ほとんどのお祭りは以下のような特徴を持っていると思います。
・特定の日時を決めて、イベントを実施する。
・たくさんの人が参加できるよう、ネットや広告で呼びかける
・お祭りでは祭礼の一環として大きな音を鳴らして盆踊りを踊ったり、神輿を担いで神社でお祀りする神様に祈りを捧げたり。
・コミュニティの活性化も一つの狙い。
・主催は実行委員会方式で住民だけでなく各地の商店街、自治体、政治家、企業が積極的に運営に関わったり参加したり資金的に支援したりする。
・盆踊りに出る人たちや浅草サンバカーニバルや高円寺の阿波踊りの踊り手たちも、自分たちで衣装代も出して、週末に集まって年がら年中練習している。
以上のような日本のお祭りの形式を、来日した中国人記者に説明して、盆踊りを見ながら中国ではこういうお祭りってできるの?と聞いてみました。
「え、宗教に絡めて民間団体が集会を実施する?不特定多数を集めるのにネットや色々な媒体で呼びかける!?しかも集会を通じて地域コミュニティの結束を強化するの?政治目的もなく?しかも全国的に各地でほぼ毎週のように群発させるの?経費は公費だけじゃなく募金も?そんな違法性の高いイベント、中国では相当ハードル高いよ(笑)。それよりあのサンバを踊る人たちの日当はいくら?」とのこと。
もちろんサンバカーニバル参加者は日当などもらっていませんが、中国式のイベント動員参加者と鼻から思っている彼らは、なかなか信用してくれませんでした(笑)
実は中国では共産党批判より、集会の呼びかけの方が厳しくコントロールされています。ある意味コミュニティが強化されることをとても怖がっているのです。またテロ組織や反共産党団体が自由にお金を集められないよう、募金も基本的に難しいのです。そして、何かデモなどするときでも集会参加者も日当がないと誰も参加してくれない。記者の答えはそうしたちょっと日本と違う、民間のコミュニティがまだ成熟していない中国というお国柄のジョーク(?)のようなものかもしれませんね。