おむつ二箱限定販売の理由

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    2015年11月、埼玉県地方都市にあるアカチャンホンポにて。
    中国人のおじいさん、おばあさん、おばさんが休憩所にわらわら10人ほど集まっていました。
    近くには山積みのおむつ。もしやと思い、近づいていって話を聞くと、やはり黒龍江省からやって来たブローカー集団でした。三人ほどのオバチャンが割合日本語が達者で、その他のじいさん、ばあさんは全然日本語ができないらしい。

    1日一人60000円の予算を渡され、一ヶ所で二箱おむつを買い、10ヵ所ほどお店を回り毎日200箱くらい買い漁っているそうです。レシート一枚につき1000円×10枚で1日1万円の日当になるらしい。二箱だと約5000~6000円くらいの販売価格なので10ヵ所回ってちょうど60000円でお釣りが出る算段。即日決済で「店長」と呼ばれる元締めがお釣りを計算して、レシートにもとづいて日当をその場で日払い。
    大量のアカチャンホンポのカードを店長が持っていて、それを中国人のおっちゃん、オバチャンに渡して、ポイントも荒稼ぎしている模様。

    話を聞いているあいだ、みんな愛想が良かったのも印象に残りました。地元では仕事がないが、日本に来れば1日買い物してまわるだけで一人一万円稼げるから、とても割りのいい仕事だと喜んでいました。仮に「親族ビザ」で来日していた場合、90日間いられるので、週休2日でも60日くらいは働ける計算になります。夫婦2人で来れば60万円×2人で120万円のアルバイト代になります。
    ただ、ブローカー集団の不満は一店舗、1日一人二箱におむつが限定されていることらしい。もっと買えればもっと儲かるのに、ということのようです。

    お店側に聞くと、「毎日」数グループが来ているとのこと。黒龍江とか福建とかいくつか出身地ごとにグループが別れていて、中国人グループ同士かち合うと店のなかで商品の取り合いをして大喧嘩をしたりするらしい。別のグループに買い占められて品切れだったりすると、店員にすごい剣幕で迫るらしく、マナーの点で本当に困っているらしい。

    おむつ二箱限定にしている理由が、一般客の為だけでなく、中国人グループ同士の抗争を防ぎ、店員の安全を守る狙いもあったということに目から鱗でした。なお、一人二箱まで!と決めていると素直に従うみたいです。さらに空いたおむつの段ボールも欲しがるらしく、バラ売りのおむつ袋を詰めて再利用している模様です。ただ、これでおむつを買えなくて迷惑をこうむっている人もいるかもしれないと思うと複雑な気持ちです。

    それでは、中国ではいくらでおむつが販売されているのでしょうか。それは次回に・・・

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    2002年9月から2003年5月まで華東師範大学留学。 2005年9月に日本の某私立大学大学院を修了。専門は歴史学(中国近現代史)だったはずだが、中国はもちろん日本の政治、経済、軍事、歴史、文化など各分野にも手を出している為、専門分野は混乱中。

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